「え、は?ゆき…!?」



牢屋に入れられた咲夜を見つけた雪美は泣きそうになりながら " さく待ってて、私が開けてあげるから!" と、何処かに走って行った。



「逃げろよバカ、開けてあげるじゃねえんだよ… 」



雪美の安否を知れてホッとしつつ、突然何処かに走って行った雪美が心配で気になって仕方がない咲夜。








ーー 数分後。



なかなか戻って来ない雪美が心配で堪らない咲夜は姿を見るまでソワソワし続け… 生きた心地がせず。



「… さく、お待たせ!」



暫くすると全速力で走り、戻って来た雪美の手にはどこからか手に入れて来た細い鉄の棒が握られていた。



その棒で何を…?



雪美は蓮稀がやっていたのを真似して、見よう見真似で鍵穴に細い鉄の棒を差し込みガチャガチャし始める。



「あれ?何で!?何で開かないの… 」



ただ鉄の棒を差し込むだけでは開く訳がない。



それを知らない雪美は必死で鍵を開けようと頑張る… そんな雪美の抜けた行動に咲夜は思わず苦笑い。



「うわーん!何でー、やだやだやだ… 全然開かない!!力づくで開かないかな…? 」



「… 開く訳ないだろ」



可愛いなあ… おバカで抜けたところもゆきらしいなと思いつつ、咲夜は " 蓮稀の格好してるんなら普通に鍵貰えねえの?" と、雪美に問いかける。



「あ、そうじゃん!!!」



「 …… (苦笑) 」



咲夜の話しに賛同した雪美は " 私で大丈夫かな… " と、ブツブツ言いながらまた何処かに走って行った。