雪美と手を繋ぎ歩きながら胸の中がじんわり温かくなる。こんな風に笑ってくれるのはきっと俺だけだ。そう思う度、胸の奥が苦しくなるほど嬉しい。
けれど…
(蓮稀の顔、最近どこか曇っているな)
母や自分と話す時の蓮稀の表情… いつもの兄じゃない、何かわからない影が差しているように見える。
蓮稀は当主としての責任や政条家の跡取りとしての重荷もある。
その上で… 鈴香のこと。
あの縁談での事件から、蓮稀は縛り付けられ心が崩れかけているとは知らずに。
蓮稀の悩みも、いつ鈴香が牢から出て来れるのか、全部置いて走れたらどれほど楽か… けれど現実はそう上手くはいかない。
“ 俺に任せろ ”と言ったのは蓮稀の本心。
雪美を守り蓮稀の負担も減らしてやりたい… そのつもりだった。だが胸の奥には嫌な予感がこびりついたままだった。
牢に入れられた鈴香は精神の限界も近い。
彼岸花の泉で雪美が陽菜に突き落とされたと知った時、まず脳裏に浮かんだのが鈴香の顔だった。
鈴香の目は心配で今にも壊れそうで、必死で、悲しさと怒りが入り混じっていた。蓮稀も蓮稀で… 自分の想いより咲夜を優先して鈴香の縁談を受けたんだろう。
咲夜と雪美の正式な縁談の日… 陽菜はまたどんな手を使って来るかわからない。
" 俺が雪美を守る "
咲夜は改めて雪美の手を握り直した。
けれど…
(蓮稀の顔、最近どこか曇っているな)
母や自分と話す時の蓮稀の表情… いつもの兄じゃない、何かわからない影が差しているように見える。
蓮稀は当主としての責任や政条家の跡取りとしての重荷もある。
その上で… 鈴香のこと。
あの縁談での事件から、蓮稀は縛り付けられ心が崩れかけているとは知らずに。
蓮稀の悩みも、いつ鈴香が牢から出て来れるのか、全部置いて走れたらどれほど楽か… けれど現実はそう上手くはいかない。
“ 俺に任せろ ”と言ったのは蓮稀の本心。
雪美を守り蓮稀の負担も減らしてやりたい… そのつもりだった。だが胸の奥には嫌な予感がこびりついたままだった。
牢に入れられた鈴香は精神の限界も近い。
彼岸花の泉で雪美が陽菜に突き落とされたと知った時、まず脳裏に浮かんだのが鈴香の顔だった。
鈴香の目は心配で今にも壊れそうで、必死で、悲しさと怒りが入り混じっていた。蓮稀も蓮稀で… 自分の想いより咲夜を優先して鈴香の縁談を受けたんだろう。
咲夜と雪美の正式な縁談の日… 陽菜はまたどんな手を使って来るかわからない。
" 俺が雪美を守る "
咲夜は改めて雪美の手を握り直した。

