自分の欲と快楽の為に蓮稀を犬のように扱い、自身の欲求を満たした。
蓮稀の心は静かに軋み、唇からは音も出ない。誰にも言えぬ傷が静かに彼の中にどんどん刻まれて行く。
鈴香が牢に入れられてから、何日が過ぎたのか… おすずの屋敷に捕らわれたような日々の中で蓮稀はただ従うしかなかった。
逆らえば、必ず鈴香の名が出る " あの子がどうなってもいいのかい? " と。
おすずは笑いながら彼を縛り、その心ごと支配していった。
おすずは毎日上機嫌、蓮稀が帰った後は娘の陽菜と一緒に鈴香をサンドバッグにするそれが日課。
蓮稀に自由はなく… 蓮稀の沈黙が鈴香の命だけ守る唯一の盾だった。
--その頃
何も知らぬ雪美のもとに一通の文が届いた。
「… 誰からだろう?」
差出人も宛先も書いていない封書。
内容を確認しくすっと笑った雪美は白い着物に袖を通し、それを強く握りしめと場所へと向かった。

「相変わらずここは綺麗な場所… 今年ももうこの季節になったのね」
凛と咲き誇る彼岸花が風に揺れる
雪美は " 彼岸花の泉 " とだけ書かれた文を手に持ったまま静かに彼岸花の花を眺めながら誰かを待っていた。
この場所は、咲夜との縁談が決まって以来、毎年咲夜と2人で訪れる場所…

