鏡と前世と夜桜の恋

-- 蓮稀は

「お願いします、鈴香を… 鈴香を返して下さい!!」

鈴香を救いたいその一心で蓮稀は毎日おすずの屋敷を訪ねていた。

何度も何度も頭を下げ土下座をしても返ってくるのは今日も同じ言葉。

「それは、蓮稀様次第だねえ… 」

おすずはニヤニヤ笑い、蓮稀をいつもの別室に連れて行った。


おすずの声には艶があった。

障子の隙間から洩れる灯が、蓮稀の頬を照らす… その視線は、憐れみでも同情でもない。獲物を値踏みするような眼差しだった。

「… これでもう何度目だ」

低く問う蓮稀の声にゆっくり近付くおすず

「あの小娘に良くして欲しければ、私の言うことを聞くんだよ!!」




「さもないと頭の良い蓮稀様ならこの意味… 分かるだろう?」

息が触れ合うほどの距離で蓮稀はただ唇を噛みしめた。

おすずは蓮稀の背中に腕を回す。冷たいものが直接背筋に走る、気持ちが悪い… だが引けば鈴香は2度と戻らない。

おすずは舐. め回しながら蓮稀の身体に触れ帯を解こうとする…


" 俺がどんな汚れを被ろうと鈴香は必ず取り戻す "

蓮稀の拳が震える。

「その容姿に肉体、堪らないね〜 欲しかった、欲しくて欲しくて堪らなかった… この日をずっと待ち望んで来た。蓮稀様、良い男に成長したねえ」

おすずの指が伸びてくる度、自らの尊厳が少しずつ剥がれていくのを感じていた。

「鈴香… 」

蓮稀の搾り出すような声に、おすずは唇の端を吊り勝者の笑みを見せるも蓮稀の頬を何度も思いきり引っ叩く。

「蓮稀様、次その名を出せばあの小娘に罰を与えるよ!」

「… 頼む。それだけは、それだけは辞めてくれ、約束通り彼女に最低限の暮らしは… させてやってくれてるのか…? 」

「勿論、蓮稀様との約束を破る訳が無い。あ〜ん、いいよいいよ… もっと、もっと… 蓮稀様ぁ〜… 」

おすずが満足するまで続くこの行為は
愛とは最も遠い場所にあるものだった。




何度も
何度も

… 身体が痛い。

部屋の中に一筋の夜風が吹き込みその風が灯を揺らし2人の影を畳に落とす。


馬乗りになられ巨体を動かすおすずと自分の影を見つめながら心の奥で何かを捨て、ただただ終わるのをひたすら待った。

「もう勃たないのかい、使えないねえ〜 ちょん切ってしまうよ!舐. めな!!」

「おすずもう… 」

「黙りな!あの小娘を見捨てる気かい?」

蓮稀は完全におすずの玩具。