雪美は井戸端で水を汲んでいた。
そこに現れたのは
おすずの息子であり陽菜の兄になる『申又』

申又は雪美に好意があるのか、いつも何かとちょっかいを出し好きが故の行き過ぎた嫌がらせをする " 雪美にちょっかいを出すな " と、咲夜に怒られても懲りず何度もこてんぱんにやられている男…
申又はとにかく女好きでモテたい願望が強く、咲夜のことを妬んでいるのに咲夜の真似をすればモテる、咲夜には勝てると思い込んでいる… そして人の目を気にする、基本的にネガティヴ思考の男。
「おう雪美、今日も可愛いなぁ〜 だがその顔、泥まみれの方がもっと似合うし可愛いと思うぜ〜 」
いやらしい目つきで雪美を眺める申又は、雪美の持っていた桶をひっくり返し着物を濡らし頭から泥を掛けて嗤った。
「ほら泣けよ、お前が泣く顔が堪らない。ほーら、ほーら〜」
申又の雪美への嫌がらせは日常茶飯事。好きだからこそ虐め、痛めつけたい… 歪んだ申又の行動はエスカレートしていた。
「また貴方ね… 」
負けず嫌いの雪美は唇を噛み締め肩を震わせ睨みつける。
抵抗する雪美に対し苛立ちを覚えた申又はそのまま雪美の髪を鷲掴みにし川辺へ引きずろうとした。
その時…
「ゆきに指一本触れるな!!」
たまたま通りかかった咲夜が雪美の叫び声を聞き血相を変えて駆けつけた。
「さく… 」
咲夜の姿を見た雪美は安堵の気持ちから瞳に涙が浮かぶ。
「政条の弟の方か、邪魔するな!」
咲夜は何も言わず申又に近付く。
申又は舌を出し " やれるもんならやってみろ " と、いつものノリで挑発するが次の瞬間… 咲夜は刀を抜かず、申又の胸ぐらを掴み何度も体を地面に叩きつけた。
申又が追い込まれているところに、通りかかった陽菜が目を細めて歩み寄って来た。
「ふぅん、面白いことしてるじゃん」
「陽菜さ… 」
雪美に名前を呼ばれ、にやりと笑った陽菜は " 咲夜さんにこんな酷い事をさせるなんて酷い女ー。" と、雪美だけにわざと聞こえるように耳元で囁く。

