-- 軋む音。
閉ざされた扉が開く。
「咲夜さーん?」
おすずの声はやけに明るく、楽しげだった。牢の惨状を“ 見慣れた景色 ”として受け入れている者の声音。
おすずはゆっくりと距離を詰め見下ろすように笑う。
咲夜の喉がかすかに震えた。
「ゆき… 」
その一言でおすずの笑みが凍りつく。
「まだ言うのかい」
低く、ねっとりとした声。怒鳴るでもなく、ただ確実に心を削る声音。
「まだ分からないのかい?あの小娘はもうお前のものじゃない」
言葉が、刃のように突き刺さる。
それでも咲夜は跨って来たおすずを退かしゆっくりと身を低くし深く頭を下げた。鎖が擦れ、床に額が触れる。
「…一目でいい」
声は震え、ほとんど祈りだった。
「…ゆきに…会いたい…」
その姿を見ておすずは鼻で笑った。
「惨めだねえ」
そこへ軽やかな足音。
「咲夜さんは私と一緒になるのよ?」
陽菜だった。花が咲くような笑顔… だがその裏にあるのは、奪うことへの悦びだけ。
「ねえ咲夜さん。私、咲夜さんとの子供が欲しいの❣️」
甘い声で囁きながら陽菜は土下座する咲夜の髪を乱暴に掴み上げ、咲夜の指を自分の中に入れ、更に甘い声音を出し始める。
咲夜は顔を上げさせられても視線を合わせない、唇を噛み必死で涙を耐えている。
「…ゆき… 」
陽菜はおかまいなしに咲夜の自身を中に挿入し腰を振るも咲夜は勃たず、出るものも出ない… 雪美の名が出るたび陽菜の笑みが歪んでいく。
「まだあの子なの?私を見て!!!」
命じる声に咲夜は視線を合わさず、天井を見つめる… 暗い牢の中で、幻覚の雪美と確かに目が合う。

