壊れかけた歯車が空回りしている… 咲夜の心は蓮稀同様、壊れかけていた。
——ガチャン。
扉が開く音。牢は鍵をかけられ、更に逃げない様に折られた方の足は鎖で繋がれている… 誰かが来た気配がしても、顔を上げる力すら残っていなかった。
「なんだい、なんだい、楽しそうだねえ〜」
近づく足音。
衣擦れの音。
濃くなる人の匂い。
笑い続ける咲夜の前に現れたのはおすずと陽菜だった。
周りが見えてないのかおすずと陽菜に見向きもせず笑い続ける、そんな咲夜の体を押し倒したおすずは服を脱ぎ咲夜の顔に跨る。
「蓮稀様が亡くなったのならお前が私達の相手をするんだよ!!」
ピタリと笑うのを辞める咲夜…
おすずは無理矢理腰を振る。陽菜は陽菜で " 咲夜さん、咲夜さん " と、異常な執着を見せながら咲夜の体を舐め回し始める。
触れられる度、心が一枚ずつ剥がされていく。何をされているのか理解したくもない。視界の端が白く滲み天井の染みだけがやけに鮮明だった。
そして陽菜は " 私の咲夜さん " と、何度も何度も言いながら更に咲夜自身を幸せそうに舐め始めた。
「ゆきちゃんは申又と婚姻を結ぶの。だから咲夜さんは陽菜と婚姻を結んで?」
ゆき。
名を呼ぶ声にならず胸の中で繰り返す。
ゆき。
ゆき。
ゆき。
咲夜にとってそれだけが自分を繋ぎ止めている…

