「っしゃー決まった」

 また新たにビーフジャーキーを一枚口に入れた篠井くんは、提出する紙のバンド名の欄に『sushiumai』と書いた。

 あ、篠井くん左利きなんだ……じゃ、なくて!

「そ、それユニット名!?」

 sushiumai!?

「おう。大文字の方がよかったか?」

「へ!?や、それは、どっちでも……」

「おう」

「そ、そうじゃなくてっ、もうちょっと考えた方がいいんじゃない、かな…!?」

 いくらなんでもユニット名がsushiumaiなんて……っ、おすしは確かにおいしいけど!

「名前なんて覚えやすくて被んなきゃなんだっていいんだよ。もっといいのが思いついた時に変えればいい」

 なんて横暴な……
 sushiumai……sushiumai……

 海外の和食屋さんみたいな名前に呆然とする私に、篠井くんがギターを渡した。