憧れていた。
まるでお花みたいな、華やかで、可愛い人に。
花束になって。
輝いてみたかった。
……中学校には、私、貝塚 瀬里の居場所がない。
二年三組の教室の中。
いつだって、ひとりでいる。
私は人よりきっと……、いや、絶対に、体重が重い。
そのことでからかわれきた。
小学生の時から、ううん、幼稚園児の時からそうだったかも。
だけど中学生になって、それは加速した。
背中を指差されて。
冷ややかな視線。
あざ笑う声。
それに耐えなくちゃいけないから。
私は背中を丸めて。
髪の毛をおろし、顔まわりを隠す。
そうすることで、心を守る。
なるべく小さく、目立たないように気をつけながら。
放課後、教室から出て昇降口に向かうと。
昇降口の前。
全校掲示板に向かって、何人かの人が作業をしているところだった。
その人達が生徒会のメンバーだとわかったのは、生徒会で副会長を務めていて、クラスメートの大友 理人くんがいたからだった。