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お父さんがなにを心配していたのかわかったのは、それから3日ほど経過したときのことだった。
絵美が自分の部屋で勉強をしていたとき、ノック音がして花子がやってきたのだ。

「花子ちゃんどうしたの?」
また宿題を教えてほしいのかと思ってそう質問すると、花子がおずおずと近づいてきた。

そして出窓に飾ってあるオグゴールをジッと見つめる。
「そのオルゴールがどうかした?」

「前にこの部屋に入れてもらったときから、綺麗だなって思ってたの! もう1度見てもいい?」
「もちろん。触ってもいいよ」

そのオルゴールは地元のフリーマーケットで購入したもので、もう随分と長く窓辺に飾ったままになっている。
音を鳴らすことも今ではほとんどなくなっていた。