【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ

「えっ、レン先輩って頭いいんですか!?」


「意外だった?俺、わからないから授業サボってるわけじゃないよ」




頭の位置をもどしてこしに手を当てながら、「わかりきったことだから、退屈してるだけ」と言ったレン先輩の顔をまじまじと見る。

頭、いいんだ…。




「そうだ、今日から恋人体験する?」




レン先輩はそんなことを言って、私の手を取った。

しかも、指と指を絡めて恋人つなぎをする。




「ちょ、ちょっと!?」


「真っ赤になった顔もかわいいね。マスクがないとよく見える」


「は、離れてくださいっ」


「ははっ、二葉ちゃんわりと脈ありでしょ?やだよ」


「ち、ちがっ!」