【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ

「日々がんばってる俺へのご褒美。おいしいカフェ知ってるからさ、ね?」


「で、でも、私たち恋人でもなんでも…」




赤面しながら腕を折りたたんで、胸のまえで手をふる。

レン先輩はこしを曲げて私の顔をのぞきこんだ。




「総長と姫って恋人みたいなもんでしょ?去年は例外だったけど」


「そ、それはっ」


「俺、二葉ちゃんならカノジョにしてもいいと思ってるよ?」


「え!?」


「これからながい付き合いなんだし、せっかくなら俺をカレシにしといたら?」




か、カレシって…っ!

より顔が熱くなるのを実感していると、レン先輩は小首を(かし)げて大人っぽく笑う。




「おすすめだよ。俺、彼女できたらうんと甘やかすって決めてるから」


「~~っ、受験勉強はいいんですか!?」


「う~ん、高1ぶんは頭に入ってるからなぁ。大学受験の勉強はぼちぼちしないとね」