そんなはずかしい言い方!
かぁっとほおを赤くすると、絡まれていた子はぺこぺこと私に頭を下げて「ありがとうございました」と言いながら去っていく。
加害者、被害者の両方を見送ったあとで、私は眉を八の字にして、じぃっとレン先輩を見上げた。
「総長の役目は放棄するって言ってたのに、これでもう何回目ですか?」
「か弱いのに体当たりする二葉ちゃんを見たら放っておけないでしょ。俺だって望んでやってるわけじゃないよ、二葉ちゃんが大人しくしてくれたら…」
「私はCometの姫ですから。それは無理です」
「はは、もう…」
レン先輩は首のうしろに手をやって、苦笑いする。
でもパッと表情を切り替えて、口元に笑みを浮かべながら私を見た。
「まぁいいや。せっかく会えたんだし、このままデートしない?」
「で、デート!?」