「私1人でも、学校の外でも、関係ない。Cometの姫として、うちのメンバーの悪行は見過ごさない!」


「先代総長の妹だからって、あんま調子に乗ってると…」


「――だれが調子に乗ってるって?よく聞こえなかったな~」


「れ、レン先輩!?」




威圧するように、一歩私に近づいた2年男子の頭が、大きな手にわしづかみされる。

彼のうしろに立っているのは、にこにこした笑顔のレン先輩。

白いオーバーシャツを着ている。




「ひっ、総長!?す、すいませんっしたぁぁあ!」


「はい、俺のお姫さまには?」


「絶対忠誠!」


「よろしい。まっすぐ帰れよ」


「はぃぃい!」




レン先輩が手を離すと、2年男子は一目散(いちもくさん)に走り去った。




「あ、ありがとうございました…」


「お礼ならそっちのかわいい子に言って」


「ちょっと、レン先輩!」