なんで桃があやまるの、と思ってから、そういえば2人は付き合ってるんだっけ、と思い出した。

…それでも、桃があやまる必要なんてないんだけど。


苦笑いして口を開こうとすれば、《“下剋上(げこくじょう)”成立です》とアナウンスが聞こえる。




《Cometの総長は3年の金原(きんばら)レンに、姫は2年の銀河二葉に変わります》


「こんなの納得いくか!」


「赤史くん…?」




ホッとしたのもつかの間、赤史の怒鳴り声がひびいて、眉をひそめた。

赤史は舞台のまえまで来て、舞台に飛び上がってくる。

そのままずんずんと、私のほうに向かってくる姿を見て、危機感を覚えた。




「二葉が顔を出して笑えるはずがない!俺のまえじゃ1回も笑ったことがねーのに!」


「それ以上俺のお姫さまに近づかないでもらおうか、元総長?二葉ちゃんがおまえのまえで笑わなかったのは、おまえがその程度だったからだろ?」


「レン先輩!」