【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ

それから、アピールタイムと称して、姫に対する思いをそれぞれ語った。

桃は“いろんな楽しいことを考案する”、と言って、私は“Comet(コメット)の、水成(すいせい)中の秩序(ちつじょ)を保つ”、と堅いことを言う。


投票時間が来るのはあっという間。




《それでは、投票に移ります。左、銀河二葉がいいと思う人は手を挙げてください》




まず私の名前が呼ばれて、ドキドキしながら観客を見ると、バッとたくさんの手が挙がった。

桃の票を取るまでもなく、私に過半数の人が手を挙げている…ように見えるんだけど。

これ、気のせいじゃないよね…?




「わぁ…負けちゃった」


「桃…」


「これで、Cometの総長も姫も、二葉ちゃんたちに交代…なんだよね?…うん、よかった」


「え?よかったって…」




どうして、と目を丸くすると、桃は視線を落として、えへへ、と笑った。