【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ

緊張でどうしても顔がこわばった。




コツ
 コツ…




舞台の中央で、仁科さんと同時に、観客のほうへ体を向ける。

こしからふわりとすそが広がった、純白のドレスを着た仁科さん。

対する私は、すその広がりがひかえめな、すとんとしたシルエットの青いドレスを着ている。





《右、仁科(にしな)(もも)




(ゆかり)くんの声で、仁科さんの名前がアナウンスされた。

仁科さんは胸のよこで両手をふる。

きっといつもどおり、おっとりほほえんでいるんだろう。


次は私の番だ、と心がまえをしていると、体育館の正面入り口よこにレン先輩の姿を見つけた。

壁にもたれるように立って、ほほえんでいる。

遠くにいるのに、ばっちり目が合ってしまった。




《左、銀河(ぎんが)二葉(ふたば)




あ、私の番だ。

気持ち、あわてて片手を上げる。

そのまま手をふろうとすると、レン先輩が先にひらひらと手をふった。