【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ

「えっ、ほんとに?」


「うん。いまは別の着てるから、たぶん大丈夫だと思う。青いドレスだから、きっと二葉ちゃんに似合うよ」




紫くんは笑顔でそう言ってくれる。

私はホッとして「ありがとう」と返した。




「ううん。これから、1年生のところに?」


「うん。あんまり関われてないから、不安だけど…」


「きっと大丈夫だよ。二葉ちゃんのまま接したら、みんなが二葉ちゃんのこと好きになったみたいに、味方してくれると思う」


「そうかな…」




そう答えつつも、すこし自信がもらえる。


かさねがさね、ありがとう。

そんな気持ちを胸にかかえて、私は紫くんと一緒に2階へ降りた。