【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ



「それじゃあ、お願い。いまは1人でも多く、味方が欲しいの」


「うん。任せて。他の人にも、声をかけるから」


「ありがとう…」




気弱な紫くんが、ここまで力強く言ってくれるなんて。

私、恵まれてるな…。


階段を下りて紫くんと合流すると、紫くんは「ねぇ、二葉ちゃん」と話し出した。




「ミスコンの方はどうするの?姫には、代々受け継がれてるドレスがあるけど…」


「うーん…それも、問題なんだよね…やっぱりお母さんに言って、買ってもらうしかないかな…」




ミスコンのときに着る衣装は、いまだに悩みの種。

ワンピースで出るわけにもいかないし…。




「…それじゃあさ、ボクのお姉ちゃんから借りれないか、聞いてみるよ。ピアノの発表会で着てたドレスがあるから」