みんな、やさしいな。
一度は背中を向けられちゃったけど、こうやって力を貸してくれる。
いまなら、まだ間に合うよね。
Cometを…水成中を、守れるよね。
先輩と別れたあと、私はよし、と気合を入れて、次は1年生だ、と階段を下りていった。
「二葉ちゃん!」
「紫くん…」
下の階から声をかけられて、足を止める。
私を見上げているのは、赤史と仲がいいから、いままで声をかけなかった紫くん。
紫くんは一歩踏み出して、紫色の垂れ目を私に向けた。
「ボクも、二葉ちゃんのほうにつくよ」
「でも…そんなことしたら、裏切り者だって言われちゃうよ」
「いいんだ。ボク、二葉ちゃんが本当に辛いとき、守ってあげられなかった…だから、今度はちゃんと力になりたい」
真剣な目で見つめられて、息を飲む。
私は視線を落として…「わかった」とつぶやいた。



