「あ、ごめん。二葉ちゃんを侮辱する言葉が聞こえたからつい」
「なっ…!」
「あ、赤史くん、大丈夫…!?」
「さっさと勝負内容決めなよ。タイマンでもなんでもいいけど?」
こんなに強く味方してくれた人は初めてで、じーんと胸が熱くなる。
思わずつないだ手に力がこもると、ぎゅっと、レン先輩も握り返してくれた。
ドキドキと、鼓動が速くなる。
レン先輩の背中越しに見えた赤史は、くっと顔をゆがめていて、レン先輩をにらむように見上げた。
「なら、勢力戦だ!味方が多いほうが勝ち。無名のおまえは負けるしかないけどな!」
「ははっ、なっさけねーの。力じゃ勝つ自信ないんだ?まぁいいよ、それじゃ、“下剋上”のルールどおり1週間後にね」



