「“気分”でサボる気!?総長なんだからしっかりしなさい!」


「ご、ごめん、二葉ちゃん…ボクが止められなかったばっかりに…」




顔をそむけた赤史の、Yシャツのえりをつかんで、ぐいっとひっぱる。

となりの紫髪男子、東雲(しののめ)(ゆかり)くんは、紫色の垂れ目を私に向けておろおろと言った。




「いいよ。私たち先に行くから、紫くんもすぐ来てね!」


「う、うん」


「ちぇっ、紫にはあめーくせに…」


「だれかさんは反省しないからでしょ!ほら、行くよ!」


「わかったから離せって」




文句を言う赤史の首根っこを離して、代わりに腕をつかむ。

そのまま来た道を早足でもどって、体育館に向かった。


私たちが通う水成(すいせい)中学校には、Comet(コメット)という名前の暴走族がいる。

入学したばかりの去年は、私も暴走族ってなに?状態だったけど…。

いわば、不良集団のことみたい。