銀河(ぎんが)二葉(ふたば)視点-


朝練中の運動部のかけ声が遠くに聞こえる。

登校する生徒の姿がまだ見えない廊下、その先には2人の男子がいた。




二葉(ふたば)ちゃんに怒られるよ…」




気弱にそう言ったのは、紫色の髪をした男子。

そんな彼の肩に腕を回して「見つからなきゃいいんだよ」と言うのは、赤い髪をした男子。

私はマスクの下で深く息を吸いこんで、赤髪男子のうしろ頭をにらんだ。




赤史(あかし)!」


「うわっ!」


「チッ、見つかったか…」




赤髪男子は足を止め、ふり返る。

名前は、天間(てんま)赤史(あかし)

髪色とおなじ、赤いつり目と視線が合うと、私は大またで歩いて赤史に近づいた。




「今日はComet(コメット)の集会でしょ!総長がサボってどうするの」


「別にいいだろ?気分じゃなくなったんだよ」