【短】追放された姫は一匹オオカミと手を結ぶ



「俺、2時間目と3時間目はここにいないから、自由に出入りしていいよ」


「え…あ、ありがとうございます」


「うん」




にこりと笑った金原先輩は、そのまま目を閉じて、「じゃ、おやすみ~」と顔の向きをもどしながら言った。

今度は本当に寝る気らしい。


先客がいるのに、ずっとおじゃましてるわけにはいかないし…。

私は物音を立てないように立ち上がって、そっと空き教室の扉を開けた。


…先生がいるとは思うけど、保健室、行ってみようかな。