連れ立って教室を出た2人を見て、私も席を立つ。

窓ぎわから、教室うしろの扉を通って廊下に出るころには、2人はとなりのクラスのまえを歩いていた。




「赤史、ちょっと話があるんだけど」


「なんだよ」




いまじゃ声をかけるだけで、眉をひそめてふり向かれる人間、それが私。

まぁたしかに、最近は赤史がいやがる話をよくするようになったけど…しかたないじゃん、聞く耳を持たないんだから。




「最近1年生のあいだで上下関係ができてるってはなし、そろそろ解決しないと。他にもいろいろ問題があるってはなしが上がってきてるから、会議を…」


「会議会議うるせーな。二葉(ふたば)1人で解決できんだろ」


「…たしかに、できるかぎり私がなんとかしてきたけど、赤史は総長なんだから」




赤史に近づいて腕をつかむと、バッとふり払われた。

きついつり目でひとにらみ。