しとしとと雨が降るのも日常的な出来事。
転校生、仁科桃さんが来てから2ヶ月…。
「桃、体育館で一緒に飯食おうぜ。終わったらバスケな」
「わぁ、いいね!」
「残念、また桃ちゃんを天間くんに取られちゃった」
「赤史くん、ボクらも一緒にいい?」
「飯食い終わったら来てもいいぞ」
教室の一番まえ、廊下側の席に人が集まる。
席替えをして、そこの主となったのは赤史と仁科さんの2人。
昼休みを告げるチャイムが鳴って、すぐこれ…。
赤史はすっかり、仁科さんびいきになった。
なにを言っても肯定の言葉が返ってくる仁科さんは、付き合っていて気持ちがいい人で、他のみんなにも人気がある。
いまやこのクラスの中心人物は、赤史と仁科さんの2人と言っても、言いすぎじゃない。
「行こうぜ、桃」
「うん、赤史くん」