どうしようもない私の手を取った人。

 思い出したと言うようにはっとした表情を浮かべながら、微笑み続ける彼。

 その笑顔が実に純粋なもので、無言で圧倒された。

 まるで、自分の廃れきった心が表れるように。

「彩海さんが“助けて”って言ってるように見えたから、のもあるかな。」

「……三ツ谷君に隠し事はできないね。」

「そりゃどーも。」

 彼にとって私の言葉は褒め言葉、だったのだろうか。

 でも今は指摘しないで、いいかな。

「だけどさ、三ツ谷君は他の子が“助けて”って言っても助けるの?」

「俺にできるならね。助けてっていう声は無視できないでしょ。」

「……なんか、三ツ谷君って名前の通り過ぎて凄いね。」

 光って名前にもあるように、三ツ谷君は光り輝く存在だと私は思う。

 助けを求める誰かの光になって、明るく照らすんだろう。

 思った事を飾らず口に出すと、何故か三ツ谷君は照れたようににそっぽを向いた。

「名に恥じない生き方をしたいからね。光って立派な名前を貰ったからには、誰かの光になりたかったんだ。」

「だから心理士も目指してるんだ。」