「……うっそでしょ。」

 三ツ谷君に言われた、来週が来てしまい。

 私は目を見開いて驚く事になってしまった。

「先生でも、買収した……?」

「してないよ。俺にあのせんせーを買収できるほどの財力、あると思う?」

「…………。」

「黙られるとなんか逆に傷つくかも。」

 ある日の昼休憩、人気の少ない廊下で三ツ谷君に詰め寄る。

 先週の三ツ谷君の『どーだろ。』発言。

 あれが……現実になったのだ。

 3時間目の道徳の時間、抜き打ちで数学のテストがあった。

 授業を聞いていたりきちんと復習をしていれば十分解ける内容で、大体は基本的な問題ばかりのものだったけど。

 実際にテストがあったんだから、聞かずにはいられない。

 じーっと彼を見つめ、本当の事を吐いてもらう。

 絶対何かしらしてるよね……こんなに奇跡的な事、仕込まないと無理だろうし……。

 けれど、だんまりを決め込む三ツ谷君。

 どうやら言いたくないようで、ふいっと視線を私から逸らした。

「どうしてこっち見ないの?」