あの二人か……。

 隠し事は基本しないあの二人のことだから、まぁ仕方がないって思えるけど。

 だけど私の知らないところで言うのはどうかと思う、なぁ。

「……そーだよね、優しいよね。私にはもったいないくらい。」

「もったいなくないと思うけど。いつも仲良さそうにしてるし、そう考える必要なんて……ある?」

「…………、ない。」

 もったいなくない。あの二人が、私にはちょうどいい。

 笑って泣いて、時には馬鹿な事をしあえるあの二人が。

 ……いなきゃ、困る。

「ま、そーゆー事だから……まず最初に、教室入りやすくしよっか。」

「え?」

「……よし、送信。」

「え、え、ちょ……何、したの?」

「ん? クラスラインに、一斉メール。」

「はぁっ!?」

 三ツ谷君がそんなとんでもない爆弾を落としたらしく、急いでスマホを開く。

 見ると確かに、メールが来ていた。

《せんせーが一週間毎に抜き打ちテストするっぽい。それで赤点取ったら補習だって。みんな死ぬ気で勉強しよー。》

「……これ、嘘?」