どうしようもない私の手を取った人。

 ぎゅっと制服の裾を握り締め、同様に唇を噛む。

 そうしなきゃ涙が溢れてしまいそうで、仕方なくて。

「……関係あるから、言ってるんだよ?」

「っ……。」

 三ツ谷君から逃げようにも力が入らなくて、ぺたんとその場に座り込む。

 すると彼も同じようにしゃがんで、無意識の内に流れていた雫を長い指で拭った。

「俺はね、実は心理士目指してるんだ。昔から人間に秘められている感情や心理に興味があって……そのせいもきっとあるんだろうけど、今の彩海さんはほっとけない。俺にとっては。」

「……だから、っ……三ツ谷君には、関係ないっ……。」

「あるって言ったじゃん。……彩海さんは、俺のクラスメイト。それだけで、助けたいって思うんだよ。」

「……きれいごと、ばっかり。」

 あぁ、これじゃ嫌味みたいだ。

 頭の片隅でそう思いながらも、口に出してしまって唇を急いで結ぶ。

 でも三ツ谷君は嫌な顔一つせず、逆にクスッと笑った。

「確かに、綺麗事だね。だけど、そう思ってもらっていいよ。彩海さんが綺麗事だって思っても、俺にとっては本気の気持ちだから。」