どうしようもない私の手を取った人。

 どうしよ、放って帰っても別に良いとは思うんだけど……なんかそれは、後味悪い。

 そんな苦い気持ちがある為、私は三ツ谷君の肩を持ってゆすった。

「三ツ谷君! 話持ち掛けてきたのは君でしょ! 起きなきゃ帰るよっ?」

「……意外と起こし方優しいんだね、彩海さん。」

 三声目、やっと瞼を開けてこっちを見た三ツ谷君。

 その声がなんとも寝起きには聞こえなかったから、私はすぐに問い質した。

「もしかして……起きてた?」

「まさか。寝ちゃってたよ、彩海さんが起こしてくれるまでね。」

「……帰っていい?」

「どうして?」

「三ツ谷君からあんな事言ってきたくせに、寝てたから。」

 三ツ谷君が言いたかった事は、眠るほどにどうでも良かったものなんだろう。

 そう解釈した私は、半ば投げやりに答えた。

 だけど三ツ谷君は私の気持ちなんか知らないと言うように、ゆっくり体を起こして。

「じゃあ、彩海さんが帰っちゃわないように今から話、するね。」

「……ここで?」

「だってちょうど良いでしょ? 今から移動するの、面倒だし。」