どうしようもない私の手を取った人。

 この時間が何気に好きで、寒い風を受けながらも穏やかな気持ちでいた。

 教室に居ても良いんだけど、それはそれで心地悪い。

 何せ、今教室に居るのはキラキラ系の女子ばかりだからだ。

 みんな良い人だし仲間思いだし、文句があるわけじゃない。

 それでも私とは雰囲気から何もかも違うから、“合わない”と感じてここに居る。

 サナは委員会で呼び出し受けてるし、月乃とかも忙しそう。

 『どこに行っても居心地が悪いから、とりあえずここに居る。』

 要はこういう事だ。

 そんな単純明快な理由で、そして馬鹿な理由でここに私は来ている。

 ここなら誰にも邪魔されない。ゆっくり落ち着ける。

 私はそう知っているから、こそ。

「彩海さん。」

 ……どうして、三ツ谷君がここに来たのか分からない。

 背後から聞こえた声は、今朝のものと全く同じ。

 凛としていて、すっきりしていて、私を可哀想だと思う声。

 その事実が腹立たしかったのかは分からないけど、私は振り返らず答えた。

「ここまで来て、わざわざ私を嘲笑いに来たの?」