どうしようもない私の手を取った人。

 けどさっきの出来事を話すわけにもいかないから、私は月乃にテキトーな返事をした。

「三ツ谷君のことなんてもういいでしょ。さっさとワークしよ、月乃教えてー。」

「もう、しょうがないなぁ。相変わらず数学苦手だね~。」

「私は文系だから。月乃は理系で数学できるから、教えられるでしょ。」

「まぁ、ある程度だけどね。」

 その後は、月乃と他愛ない話をしながら数学ワークを進めた。

 10分休憩だからほんの数問しかできなかったけど、私的にはそれで良かった。

 今日はまだ……うるさくなさそうだ。

 教室の所々から聞こえるお喋りの声は大きいけど、勉強に集中していればきっと気にならない。

 私はそうして、気にしないフリをしながら次の授業が始まるまで月乃と勉強していた。



 残りの午前中の授業、給食、掃除が終わった後の時間。

 つまり、今は昼休憩。何をしても良い時間だ。

 活発な男子たちはグラウンドにすぐ遊びに行ってしまい、教室はほとんど女子のみ。

 だからうるさくはないんだけど……その空間に居たくなくて、私は現在人気のない廊下の窓から外を見ている。