どうしようもない私の手を取った人。

「あちゃ、まぁまだ明日だからやろやろっ!」

「ありがと。」

 確かそう言われてたなぁ……なんて、月乃の言葉でぼんやり思い出す。

 記憶力、下がってきてるのかもしれない。いや、受験勉強に本腰入れてるから、本当にただ忘れてただけ?

 後者のほうであってほしい……そう考えつつ、2限目の準備をした。

 ……そういえば、三ツ谷君はまだ来ていないのかな。

「月乃、三ツ谷君って学校来てる?」

「え? 光君? 多分まだ来てないんじゃない? あたし一回も見てないし。」

「そっか、ならいいや。」

 良かった、今三ツ谷君と顔を合わせるのはなかなかに気まずい。

 月乃の言葉にほっと安心し、胸を撫で下ろす。

 その時月乃が、不思議そうな表情でこう尋ねてきた。

「珍しいじゃん、彩海が男子……しかも光君のこと気にするなんて。何かあったの?」

「……べ、別に。」

「絶対何かあった反応じゃん、それ。」

 うっ……バレてる。

 私は顔に感情がすぐ出るタイプだから、こうやってすぐバレてしまう。