どうしようもない私の手を取った人。

 そんなところも、嫌い。

 嫌いだから……いなくなりたい。

 ぼーっとしながら通学路を歩き、ふと空を見上げる。

 眩しすぎるくらいの快晴が視界いっぱいに広がって、それすらにも嫌気がさす。

 きっと、何もかもが嫌になってるんだろう。

 学校でのストレス、受験の心配事プレッシャー、学級委員長としての責任。

 これらが積もりに積もって、メンタルがぶれる。

 ……どう、しよ。

「彩海さん?」

 言いようのない焦りに駆られ、頭を抱え込みかけた……瞬間の事だった。

 真正面から名前を呼ばれ、反射的に顔を上げる。

 すると私の目の前に、一人の男子生徒が映り込んだ。

 学ランの下にパーカーを着こんでいて、眠たそうに目尻に涙を浮かべている彼。

 私は、彼を知っている。

 三ツ谷光(みつだにひかる)

 同じクラスで、いつも一匹狼で物静かなタイプ。

 また、顔が綺麗だからという理由で一際人目を引く男子生徒。

 三ツ谷君も、遅刻か……?

 そう考えずにはいられなくて、私は何度も瞬きをした。