ガラッ


開いている教室に入り……二人で隣同士の席に座る。

黒瀬くんが話し始めたのは、私のこと。



「最初は”かわいそうな女子”くらいにしか、思ってなかったよ」

「い、いきなりキツイお言葉……っ」



私を好きになってくれたなれそめを聞いていると……なんだか少しだけ、古傷がいたむというか。

いや、聞きたいから堪えるけど……っ。



「今だから白状するけどさ、日比谷の性格の悪さは、うすうす感じてたんだ。

そんな日比谷が暮石に近づいたから、スゴイ違和感があったんだ。だから、言ったろ?」


――心配しないといけないのは、暮石自身だぞ


「暮石はおっとりしてるし、日比谷がちょっかいだすには、いい素質があるっていうか……ごめんごめん、そんな悲しそうな顔するなよ。

ってか――

そんな暮石を見て、俺はハラハラしてるってのに……肝心の暮石本人は、女子グループと話す日比谷を心配してるんだもんな。最初は驚いたぞ」