気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


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まろんが食べるのを見届けると龍さんは部屋を出ていって。

まろんは、私が帰らなかったせいで休めていなかったのか、黒ソファの上に飛び乗ると、間もなくして寝息を立て始めた。



歴くんとふたりきりになったところで、一度は落ち着いていた心臓がまた少しだけ忙しくなる。


そうだ、私……。

歴くんにベッドに沈められた状態で、「好きに使ってください」と返事をして。


龍さんが来なかったら、たぶん、そのまま……そういうことをする、流れ……だったはず。


もちろん、歴くんが望むのなら結婚もするし体だって喜んで差し出すけど。

少し冷静になると、私は昨晩からお風呂にも入っていないことに気づいた。



「あの……歴くん」

「うん?」

「シャワーを浴びたいんですけど、……ない、ですよね」


事務所にわざわざシャワールームなんて設置しないだろうな、とダメ元で声をかけてみれば。