「途中のスーパーで一応猫缶と水買ってきたんでどうぞ」
ビニール袋を差し出されてびっくりする。
「え……! た、助かります……っ」
京櫻家に仕えてるんだから怖い人だと勝手に思い込んでいたけど、実はそうでもないのかな……。
「ほら、水入れる皿」
すると今度は歴くんがガラスの器を持ってきてくれた。
「あ、ありがとうございます……っ」
猫缶を開けたあと、それにペットボトルの水を注いでまろんの隣に置く。
「ちょ、歴君それ灰皿じゃないすかぁ?」
「へーき。買ってから一回も使ってないやつ」
そんなやり取りをする初見のふたりに囲まれながら、まろんは恐る恐るといった様子で猫缶にまずは鼻をつけ、
しばらく匂いを確かめていたかと思えばすぐに夢中で食べ始めた。
よかった……。
なんの前触れもなく、涙がぽろっと零れる。



