気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


「も、もしかしてなんですけど、その衣装ケースらしき箱の中身って……」

「ああ、叶愛サンの部屋から必要そうな衣服とか参考書とか運んできたんすよ。すいませんねぇ、カバンの中にあった鍵借りちゃいました」


「……、は、あ……」

「あっ、黒菊家の人には見つかんないようにやりましたんで安心してもらってオッケーです」



とりあえず相槌を打つものの、処理が追いつかない。

屋敷の離れに忍び込んで荷物を持ち出して……って。


そんなことが、昨日の今日で可能なんだろうか。

──いや、そんなのとりあえずどうでもいい。


「ナァーン」という鳴き声にハッと我を取り戻して、思わず駆け寄った。


「まろん……っ」


龍さんの腕をするりと抜け出たまろんを抱きしめる。



「昨日うちに帰れなくてごめんね……っ、寂しかったよね、お腹すいたよね」


応えるようにして喉を鳴らしてくれた。