「歴君ー、ただいま戻りましたあ」
部屋の扉が勢い良く開け放たれ。
びくっとしたのもつかの間、なにやら大荷物を抱えた人が中に入ってきた。
「って、うわ、取り込み中だったんすか」
ばちっと視線が合わさる。
この人確か……歴くんの用心棒さんだ。
「龍、荷物そこ置いてしばらく外出てろ」
龍くんと呼ばれた彼は「はあい」と返事をして。
荷物というにはあまりにも大きい、衣装ケースのような箱をどん、と床におろした。
「これで全部か?」
「いーやまだあります。ありますっつっても物じゃないんすけど、猫がいたんで飼ってんのかなーと思って連れてきました」
「猫?」
歴くんの声に重なるように心の中で反応してしまう。
この大荷物の中にはいったい何が入ってるんだろう。
それに『猫』とは……?
「車に乗せてるんで、すぐ持ってきますね」



