私が引け目を感じていると気づいたのか、大げさにそんなことまで言ってくれる蘭野くん。
「じゃあまた、土曜日にね」
「はい」
今はどうしても申し訳ない気持ちが先にきてしまうけど。
彼みたいに優しい人となら、いつか私も彼にふさわしい相手だと自負できるようになって、本当の幸せを掴めるかもしれない。
結婚に、ちゃんと前向きになろう。
蘭野くんを見送ったあと、そう心に決めたタイミングで、なぜか歴くんの顔が脳裏をよぎった。
あ……そうだ、お金を返さないと。
ポケットにしまっていたスマホを取り出して、連絡先を探し出す。



