気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


この人と結婚するなんて、正直まだ全然実感がわかない。


蘭野くんは、同級生なのに昔からお兄さんのように面倒見がよくて、私のこともよく気にかけてくれていて。


当然人望は厚く、この前の次期生徒会役員選挙では、見事に会長に選ばれていた。

家柄も申し分ないどころか、私にはもったいないくらいの人。


この学校の女の子の大半が彼との結婚を夢見ていると考えてもおかしくはない。

幼なじみの私に「蘭野くんを紹介してほしい」と頼んできた子も今までたくさんいたし……。



そんな彼と一緒になれるなんて贅沢なことだと思う。

彼の家に嫁いだらもうお金の心配はいらない。暴力や暴言に怯えなくてもいい。


なのにどうして……嬉しいと感じられないんだろう。

結婚するっていう実感がまだないから?



「政略結婚にはなっちゃうけど、一生かけて幸せにするから覚悟しておいて」

「……ありがとうございます」

「叶愛ちゃんはもちろん幼なじみだけど、僕にとってはそれ以上に昔から大事な女の子だからね」