気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす


「最近、この辺りでひとりで夜道を帰る女性を狙った痴漢が多発してるって聞いて心配になっちゃったんだ」

「ええっ、そうなんですか? でも大丈夫ですよ。ひとりで帰れますので」



MAPLE PALACEのマニュアルで、お客様との連絡先の交換や店外での食事やお出かけはNGだった。

家まで送ると言われたときの対応はマニュアルにはなかったけど、普通に考えて断わるべき。



「遠慮しないで! ノアたんがもし危ない目に遭ったら僕はもう生きていけないよ」

「気持ちはありがたいのですが、お店の決まりでもそういったことは禁止となっておりまして」


「えっ? 僕はべつにノアたんを持ち帰ろうとかホテルに連れ込もうとかしてるわけじゃないよ?」

「も、もちろんそれはわかっております……っ。ただ、」

「じゃあ問題ないよね? ほら帰ろう!」