受け取りたくないだけで、欲しくない……わけじゃない。
純粋に自分の頑張りが認められたことで得られたお金だったら、どれだけ嬉しいだろう。
晴れない気持ちのままお店をあとにすると、直後。
「ノアたんっ、お疲れさまあ~」
看板の陰からぬっと誰かが現れて、びくっと肩が跳ねる。
見ると大沢さんだった。
大沢さんは今日もお店に来てくれていて、二時間前に帰られたはずだけど……。
「どうされたんですか? あ、もしかして忘れ物でしょうか」
「ううん、ノアたんを待ってたんだよ~」
「私を……?」
「そうっ、外が真っ暗であぶないから送ってあげようと思って」
「へ……? えっと……」
お客様にそんなことを言われるとはまさか思うわけもなく、鈍い反応になってしまう。



