「え………、す、き?」
「うん」
「れ、歴くんが私を……ですか?」
「………。本当にわかってなかったのか」
「ま、待ってください、頭を整理してます今必死で……っ」
「整理するもなにも、そんな難しいこと言ってないでしょ」
「で、でも……ラムさんとホテル……いってた、のに」
写真に写るふたりの姿が不意に頭をよぎって口にすれば、歴くんは一瞬、ぽかんとした顔をして。
それからすぐに、はあー……と長いため息をつく。
「あれは蘭野との繋がりを探るために利用しただけ。女を手っ取り早く吐かせるにはホテル誘導がもってこいなんだよ」
「っ、そうだったんですか……」
「言葉だけでその気にさせたからあの女には指一本触れてない。俺はぜんぶ叶愛だけ」
今言われたセリフたちが、ゆっくり時間をかけながら、胸の中に温かく溶けていく。
溶けたものが、今度は涙に代わって溢れ出た。



