久しぶりに龍くんの車に乗ると、懐かしい感じかして、すごく気持ちが落ち着いた。
戻ってきたんだなあってようやく実感していると、
「今日はもう二十一時なんで、黒菊家への正式なあいさつはまた日を改めましょうか」
走り出した車の運転席からそんな声がかかって。
「正式なあいさつ……?」
「歴君と叶愛サンの結婚のあいさつですね」
「へっ?」
思いかけずヘンな声が出て、そのまま歴くんを見た。
「結婚……できるの? 京櫻家との契約は破棄するって、お父さんがこの前……」
「契約破棄を破棄するっていう面倒〜な手続きを今日の昼にしてきた。お前の父親に時間つくってもらって」
「っ、うそ……」



