叶愛がいなくなった日。 テーブルに置いてあった紙を見て、もうこの子は戻ってこないだろうなと、静かに思った。 ずっと好きだった男との縁談を受けないわけがない。 幸せなはずだ。泣く理由がない。 「いったん事務所に入ろうか。落ち着いてからでいいから、俺に話してみて」 背中を押して中に促す。 ソファに座らせると、叶愛の弟はゆっくりと、事情を一から話し始めた。