仕方がないので、課題に戻った。
幸い、歴くんと繋いでいるのは左手だったから、ペンはどうにか進められる。
そして英語の問一が終わって、問二に移ろうとしたとき。
ものすごく遅れて、歴くんが
「で?」
と言った。
…………”で”?
首を傾げる。
「この家出て行きたいってこと?」
「っ!」
思わぬ言葉に喉奥がぎゅ、と締まる。
急激な焦りが足元から這い上がってきた。
そういえば、結論を言ってなかったっけ……!
「そんなわけないですっ、もちろん、結婚の話は断りました」
「……なんで?」
「え? ……だって、歴くんが」
――好きだからです。
危うく零れ出そうになる。
「歴くんと……結婚、するので」
「……、お前はそれでいいの?」
無機質な瞳に見つめられる。
何を思ってるのか、全然読めない……。



