「文章力に欠けてる部分はあるけど、確実に実力はあるから書き続けてくださいだって!」
「やったじゃん! おめでとう雪莉!」


 がばっと抱きしめられると、やっぱりまだうろたえてしまう。
 おうおうおう…となっていると、「まーたやってるよ」と呆れたように苦笑いをしながらたまちゃんと金山くんが登場。

 そんなこと言ってるけど、二人の手も無事繋がれてますよねぇ…?

 水をさしたらいけないので、心の中で留めておくけれど。

「史倉の頑張りが認められたんだ。もっと自信持っていいんだよ」
「え?! ゆきりもしかして」
「う、うん……小さな賞だけど、もらえたんだ」
「おめでとー!!!」


 がばっ、とまるでさっきの繰り返し。
 キミだって抱きついてるじゃないか、と言いたげな視線をよこす瀬尾くんは置いておいて。わたしは今、非常に金山くんの視線に怯えている……。