「あ、こっちこっち!」

先にカフェに着いていた葉山が手を振る。

「ごめんね、待った?」

彼の向かい側に座ると、

「いや、ちょっと早く着きすぎた。それにしても…思い切ったね!」

私は、最近かなりバッサリと髪を切った。

しかもフェミニンな感じではなく、マニッシュな髪型だ。

「うん。姉からはケチョンケチョンに言われたわ。『あんたねぇ、そんな男ウケの悪い格好ばっかりしてるからモテないのよ!』って。大きなお世話なのに」

「ふーん…まぁ、確かに男ウケする感じではないかもね」

「やっぱり?葉山は、風になびくサラサラの長い髪とか、更にベタなところだとポニーテールとかが好きだったりするの?」